雲一つない空を見上げる。
ようやく念願が叶う事が嬉しくて、さっきから表情は緩みっぱなしだ。
そう、今日はシェルビーとプールに来ていた。
以前、疑似デートで入ったプールだ。ようやくシェルビーと本当のデートで行く事が出来る事が嬉しくて仕方がない。
入口でレンタルした水着にいそいそと着替え、プールサイドに向かうとそこには既に着替え終わったシェルビーが待っていた。
(……凄く絵になる!!)
シェルビーは整った顔立ちだけでなく、日々トレーニングを欠かさないおかげで筋肉もしっかりついている。
胸筋も腹筋も見事なもので、しょっちゅう触っているけれど全く飽きない。
裸だって両手で足りないくらい見ているはずなのに、プールサイドに立っているシェルビーを見ていたら、なんだかドキドキしてしまう。
私の熱視線に気づいたのか、シェルビーがゆっくりとこちらを向く。
ぼんやりしている場合じゃない、そう思った私は手を上げた。
「シェルビー、お待た――」
私を捉えたシェルビーは、驚いたように目を見開くと物凄い勢いで私の元にやってきた。
そして、どこから出したの?と聞きたくなるようなバスタオルを私の肩にかけると胸元までしっかりと覆われてしまう。
「シェ、シェルビー?」
「……! ああ、すまない。待たせたか?」
「いえ、待たせたのは私の方だと思うんだけど。
ううん、それよりこのタオルは?」
「肌寒いんじゃないか?」
「こんなに天気が良いのよ? 暑いくらいよ」
「そ、そうか」
そう言いながらもシェルビーは私に巻いたタオルを取る気はないようだ。
もしかして、と思って私はシェルビーの顔を覗き込む。
近くなった距離が恥ずかしいようで、シェルビーは顔を赤らめる。
そうやってシェルビーが顔を赤らめる度になんて可愛い人なんだろうと思ってしまうのは恋の力だろう。
「もしかして、私の水着姿を他の人に見せたくないの?」
「なっ……! どうして分かったんだ。あ、いや」
今更口をおさえたって零れた本音は私に聞こえてしまっている。
「だって私も同じ事思ったんだもの」
シェルビーの水着姿に見惚れて、こんな彼の姿を他の誰にも見せたくないって思ってしまった。
だからシェルビーの考えた事もすぐにわかってしまった。
「でもせっかくのプールデートなのに、ずっとタオルを巻いていたら泳げないわ」
「……それは、そうだが」
「あと、私まだ聞いてないの」
彼の手をとり、体に巻かれたタオルをそっと開いた。
「この水着、似合ってる?」
「ああ。他の男の見せるのが惜しいくらい似合ってる」
「ふふ、ありがとう」
笑って、掠めるようにキスをする。
「私の目には、あなたしか映ってないから安心して。旦那様」
「……あんまり煽るような事を言わないでくれ」
「ふふ」
タオルを取り、シェルビーの手を握る。
せっかくプールに来たんだから泳ぎたい。
その後はプールサイドでお茶をしながらおしゃべりして、ビーチボールでも遊ぶのも楽しそう。
とにかく、こんなところで立ちっぱなしでいるのはもったいない。
だってせっかくのデートなんだから!
「行きましょう、シェルビー。
貴方としたい事、たくさんあるんだから!」
シェルビーは観念したように笑った。