「ん……」
居酒屋で飲んだ後、二件目には行かずに俺の部屋に玲を連れてきた。
久しぶりにのんびりと過ごす玲との時間を早く二人だけのものにしたくなったから。
部屋に着くなり、唇を塞いでキスをする。
俺を招くように薄く開いた唇の隙間に舌を差し込んで、玲の舌を捕まえる。
酒を飲んだ後だから、酒の味がして色気もあったものではない。
舌を擦り合わせて、吸い上げて。思う存分堪能した後、唇を離すと玲が不思議そうな顔をして、俺を見上げた。
「何、足りなかった?」
「いや、そういうんじゃなくて……甘かったから」
「へ?」
「同じようにお酒を飲んでたはずなのに、今日のキスは甘かったからなんでかなって考えただけ」
「ああ、そういうこと。これじゃない?」
ポケットから取り出したのは飴玉の包み。
そこにはイチゴ味と書いてあった。
「さっき居酒屋でもらったやつ舐めたからじゃない?」
「……なるほど」
「ちなみに俺は酒の味を感じたけど」
「色気も何もないね」
ぷっと噴き出して玲が笑う。
酒が入っているせいか、いつもよりふにゃりとした表情だった。
「玲……」
もう一度唇を重ねる。
今度はそっと唇を重ねるだけ。
そのつもりだったのに、玲がきゅっと俺の服の裾を掴むのが可愛くて、下唇を優しく食んでしまう。
「今度は味した?」
「してない」
「玲はどんなキスが好き?」
甘いとか苦いとか、優しいとか激しいとか。
出来る限り玲の望むキスをあげたいなって思った。
すると玲はうーんと悩みながら、口を尖らせる。
「……夏樹くんとのキスが好きだから、どんなキスでもいいっていうのは駄目?」
「いや、全然。めちゃめちゃ嬉しい」
玲の可愛い言葉に間髪入れずに返事をすると、玲はまたふにゃりと笑う。
ああ、もう少しこの時間を楽しみたかったけど、限界だ。
「それじゃ、玲の好きなキス、いっぱいあげるから。いい?」
ベッドに移動する時間さえもったいなくて、ソファに押し倒すと返事の代わりに玲の腕が首に回った。