「あ、これ可愛い!」
シュウに付き合ってもらって、お気に入りの雑貨店に久しぶりに足を運んだ。
狭い店内の中、シュウは居心地悪そうにしながらも私の横にいてくれて、それがなんだか胸をくすぐる。
「ねえ、シュウ。これどう?」
「さっき見てたのと違いがわかんねーよ」
「ええ! 色も違うし、アクセントについてるチャームも違うんだけど!」
今日は新しい髪留めが欲しくて、選びに来たんだけどしばらく来ていない間に私の好きそうなもので店内は溢れかえっていた。
だから、一歩進んでは半歩下がり、展示されている商品を手に取って吟味してしまう。
「……もしかしてシュウ、飽きちゃった?」
「いんや、別に」
「本当に?」
シュウをちらりと見上げると、ぱちりと目が合う。
くくっと低い声で、シュウは笑うと私の頭をポンポンと撫でた。
「さっきからコロコロ変わる誰かさんの顔見るので忙しくて飽きる暇なんてなかったけど?」
「誰かさんって……私?」
念のため、周囲をきょろきょろと確認する。
私くらいの年の女の子が店内に何人かいるが、シュウはそちらを見る様子はなかった。やっぱり私か、とほっと胸を撫でおろすのとほぼ同時に私を見て、そんな風に思っていたんだって思ったら顔が熱くなる。
「子どもっぽい?」
「さあ? ほら、あっちにもあんたが好きそうなもの、飾ってあるけどどうすんの」
「えっ、見る!」
シュウの指さした方向へくるりと体を回転させる。持っていた商品を棚に戻してから、私はシュウの手を握った。
「ねえ、シュウも一緒に見て」
「俺が見たって何にもわかんないと思うんだけど?」
「だってシュウに可愛いって思って欲しいんだもん。だからシュウが選んで!」
「……そんなの気にしなくたって、十分可愛いって思ってるけどな」
「!」
繋いだ手をぎゅっと握られる。
慌てて顔を上げてシュウを見つめると、なんてことない顔で私を見つめ返す。
(可愛いなんて、滅多に聞けないのに……!)
「さっきの台詞、車に戻ってからもう一回言って」
「はいはい」
「本当に? 約束だからね!」
「ぷっ。そんなに必死な顔しなくたって、言ってやるよ」
「だって、何度だって聞きたいんだもん」
好きな人――彼氏には可愛いって思ってもらいたいし、言ってもらいたいのは乙女心でしょう?
私がそう言うと、ちょっとだけシュウの顔が赤く染まった気がした。